【 AIRAM 〜アイ・ラム〜 】(第一部小説執筆中)

オリジナル小説【AIRAM】。「アルファポリス」で執筆中公開中のものをこちらでも。追加入力&修正中ですがよろしければアルファポリスでもお気に入り等よろしくお願いします。

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『第九通路、D軍』

第九通路、D軍。

 

 

 

(ここに入力予定の予定の何か…)

「」

 

 

 

「いやあ、ブライアンちゃん速いなあ、」

「そうだね、ッ、ウィリアム、本当に体力と足の速さ自信無いの?」

「うるせえなーブサイク、止まりたかったらとっとと止まっていいんだけど」

「あー、テメ、嘘吐いてやがったな、」

「ハッ、テメエが自分の物差しで勝手に低く見ただけだろ。割と余裕だけどまあ難関はロープ上がりかな~まあそれ以外は普通に上げて進んでこ、置いてくよ~っフフ、」

 

 

 

「大丈夫、スミスちゃん?」

「大丈夫。でもここで一度休憩していいかしら、」

「いいよ~この八室目の時計だとあと一時間あるし、あとはもうロープだけだもんね。まあ念の為五分でね」

「ええ、ごめんなさい…」

 

「ブライアンちゃん~!」

「ウィリアム、」

「ハァ、やっと追いついた、速いね、」

「うん、ごめんもう行くね、」

「あ~、凄、あの長い階段の後であの余裕かあ、ちょっと息落ち着かせよ、」

「待って下さい、ブライアン様ァ~!」

「うっわブサイク来やがった、」

「うっわウィリアムてめえまだいやがったのか」

「私より後にブライアンいたらおかしいだろ、」

「うっせえテメエここの針山で落としていってやる、っぎゃ、」

「うっわあ、自業自得…ブサイクも役に立つんだなあ~」

 

「…声するな~と思ったら…ていうか例の信者死んでくれてラッキー」

「ゔ、ちょっと視界に入れないでおくわ…」

「てかブライアンちゃん凄い余裕だねえ。一時間内でクリアするの全然問題無いじゃん」

「そうね。まあウィリアムは様子からしてちょっと危ういけれど」

「ね~あ、そろそろ行けそう?」

「ごめんなさい、念の為あと三分。途中で落ちるのは嫌だわ」

「だね~まあ五分経過まであと三分だね、」

 

 

 

「あ~運動した後のシャワー超気持ち良い~!」

「うっせえなウィルソンもうちょっと静かに浴びろよ!」

「いいだろ赤髪テメエだって長く浴びてんじゃん」

「ごめん二人共私先に出てるねえ~」

「あーまあ私もそろそろ出るかなツインテールみたいな目に遭いたくねえし」

「まあなりたい奴なんていないだろ。つかお前最初怖がってなかった? 死体まだあるんだろあっち側」

「うるせえなーもう慣れてきたんだよそれよか今は早めにシャワー終わらす、」

「私もうあがるわ、じゃっ、」

「あっ赤髪テメエ」

「ウィルソンあと何分~?」

「あ~あと五分内に終わるけど制限時間あと十五分だから大丈夫」

「もっと浴びとけよそして落ちろ」

「うるせえ今出る」

「あ~」

 

 

 

「ハァ、ハァ、…ッ、ブライアン…!」

「ウィリアム、お疲れ」

「うん、お疲れ…、余裕、だね?」

「まあ、さすがに少し息あがったけどね、ショートカットルート通ってないし」

「あ、そっか、ショートカットルート、うっわ、忘れてたヤバ、」

「もうこの部屋の後で食堂二回目だから終わりだね」

「うん…、」

「…大丈夫?」

「だ、大丈夫大丈夫! ほら早く行こう、」

「おっ開いた!」

「お~ブライアンちゃんお疲れえ~」

「IQ少女さすがだな~一時間でクリアか」

「私ミラーに休憩付き合ってもらってついさっき着いたばかりよ…」

「スミスちゃーん! ベッド使って大丈夫だからゆっくりしてて~!」

「まあスミス嬢はなあ…てかウィリアムも着いたん?」

「後ろにいるのか?」

「あ、うん。…ウィリアム?」

「あー、吐いちゃってる」

「さすがに一時間はキツかったかあ」

「まあでも頑張ったよねえ凄い凄い」

「ねえ時間もう無いから入った方が、」

「あ、」

「あー! 扉閉まった、」

「あ~残念ウィリアムペナルティした上に直前で残念~」

「あーまあ頑張ったと思うよ~」

「いやミラーちょっと笑うなよ言いながら」

「いやだってあともう少しだったのにさあ~、ヤバ、」

「あ、…やだ、やだやだやだやだやだ、」

「あー凄え泣いてるけど私らどうもできねえしな~」

「それ~つかどうするつかどうすんのアイツ」

「一応あの部屋の端に上に昇る梯子あったけど、どこに繋がってるのか見てないからなあ…」

「この階より上かあ、」

「なあそれ梯子の方が先に外出れたんじゃね?」

「うっそマジかよちょっと戻るわ」

「いや無理だろあの扉凄え重いし」

「だよねえ、…ブライアン?」

「あ、今の扉閉まる時にちょっと頭打ってたよね、大丈夫?」

「え、マジ? 平気?」

「あ、大丈夫…、ちょっとベッド借りてもいい?」

「あ、全然いいよ~一番端のやつ空いてるから使っちゃって!」

「ごめん、ありがと…」

「あ~、さすがにブライアン嬢でも疲れたかあ」

「まあ午前もほふく前進やったのに午後もほふく前進やってそれに他の二、三km追加だもんなあ」

「ホンそれ。マジ凄え~」

「てかウィリアムどうしてる?」

「何か今さっき梯子昇る音聴こえたから上がったんじゃない?」

「あ~博打に出たか」

「まあでもそれで出られるならいいよな」

「ホンそれ」

 

 

 

「…、外…外だあ!」

「あ…、ここで助け呼べば、それか、…、ヘリ? …おーい! ここ! ここ! 助けて!」

 

 

 

「あ、何か叫んでない? アイツ」

「上? やっぱ出口だったんじゃね?」

「あ~、アイツ一番乗りかあ」

「え~、罠だったらどうすんのお」

「いやどうだろなあ、」

「でも何かヘリの音聴こえない?」

「マジ? あ、ホントだ」

 

 

 

「あ…、ありがとう! 助けて下さい! この下の建物に閉じ込められ、」

 

 

 

「うわ~今の爆撃音と悲鳴超ヤバ~」

「これで残り人数、もうあと6人か」

「ウィルソン達二人以外は休憩の後で試験ですがね~うふふ受かるかな…」

「てか筆記と面接ってどういう事? 内容全然思いつかなくね?」

「それな。まあうちら2人は明日の朝までダベってればいいしなあ~」

「うわ~マジ羨ま!」

「恨みっこ無しだぜって言ったろ~」

「ハハハハ」

 

 

 

 ~ 残り人数、6…。 ~

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『第九通路、B-C軍』

第九通路、B-C軍。

 

 

 

(ここに入力予定の何かの予定…)

「」

 

 

 

「じゃ、スミスよろしくね~」

「ええ。よろしく」

「さっきさあ、ごめんね?」

「…何の事かしら」

「昼食時間にさ、化粧室で私とウィルソンとミラーの三人で話してた事。普通に聞こえてたしょ? あれ、私とミラーの作戦なんだよね」

「…どういう事、」

エバンスがさ、あまりにも躊躇無く人殺し過ぎるからさあ、ウィルソンの事ちょっと騙す事になるけど、あの二人を対決させない?って話、昨日の夜にしてて。ウィルソンだけ部屋残って見張りしてもらってる時に、トイレ行くフリして化粧室でさ」

「…その為に私の事を落としてたって事?」

「そ。泣いてたでしょ? スミス。対決終わるまではちょっと長いよねって二人で話して、先に話す事にしたんだよね。ビックリした? ああごめん、まあでも私もペース合わせて具合悪くなっても困るから、途中で先には進むけどね。まあショートカットルートの道に化粧室の引き出しに入ってたカラーリボン残してくから、それ目印にして来てよ、ちょっと大丈夫、スミス?」

 

 

 

「あーじゃあスミスの事騙してあの二人相討ちさせようって事だ」「賛成~あの二人本当にちょっと怖過ぎだし」「あーでもあの二人いなくなったらあと7人?」

「って事なんだけどまあ、それでもブライアンちゃんは何かしら目的があって最後尾組なんだもんね。スミスちゃんから話は聞いてたけど、もしかしたらこの殺し合いの計画側に元の家族か知り合いがいるかもって事?」

「まだわからないけど。でもあの毒のレトルトの製造責任社住所が、元の実家の住所なんだ」

「あーなるほど」

「え~ブライアン様の」「えっでもこの殺し合い計画した側なんだよね?」「怖いけどまあブライアンちゃんの本当の家族がいるならまだ安心かなあ」

「あ、でももしかしたらうちの本当の家族に恨みがある人達かもしれないから、まだ確定ではないけど」

「あ、何そういう家なの?」

「えっそういう家って?」「ヤが付くアレって事ですか?」「あ~ノンビリしてて実はみたいな」

「あーまあそんな感じ。普段から家の窓とか普通に銃弾で割られたりとかしてたし、離れる事になったキッカケも元の、家に来たスパイに殺されそうになって逃げて、その途中で今の家に入ったんだよね」

「へえ…超ヤベえ怖え」

「いやでもミラーさんも人殺したりしてるんですよね?」「そうですよ~私は一人か二人くらいですけど」「え、ぜってえ嘘だろ見栄張んな」「そんな事無いですうそういうウィリアムさんは?」「いや私は普通に、まあ犯罪はやってたけどうちの州割とあったからなあ」

「だから念の為皆とは距離置いておこうと思って。皆の事盾にされても困るし、盾にされないように皆もできるだけ距離置いててほしいかな」

「あ~わかったそうしとくけど邪険にもできない感じいだってどっちかまだわかんないんでしょ? でも敵側かもしんないしであ~マジ困~」

「私万が一の事があったらブライアン様見捨てますから安心して下さい!」「それ安心できるか?」「私も!」「お前ら真正面から酷い事言ってるじゃん、まあ私も見捨てるけど」「「人の事言えるかよ」」

 

 

 

「じゃ、ゆっくり来てね。カラーリボンは置いてくけど、場所動かさないでね、ミラーも見るから」

「わかったわ。ごめんなさい、急に泣いてしまって」

「いいっていいって。私らが騙したんだしさあ」

「ありがとう、」

「あっあと怖かったら普通のルート通ってもいいよ~ショートカットルートにも危険はあるだろうし、普通のルートならもう何があるかわかりきってるから時間内でゆっくり進めばいいだけだしね」

「そうね…それならわかりきってる道を進んだ方が私には安全圏かしら」

「オッケー。じゃ、私はこっち行くね。また後で食堂で~」

「ええ、また食堂で」

 

 

 

「んじゃ、モブ子、私らも行きますか」

「はい、ミラーさん」

「モブって言ってもブライアンちゃんも一見モブだけどね~あれ実は化粧らしいけど今日全然変わってないしどういう化粧してんだろ。そういやモブ子は名前何ていうの?」

「マリア、…」

「え? え、え? 何何?」

「マリア、ゴン…」

「…え?」

「マリア! ゴンザレス! です!」

「えー! 何そんな名前負けしてる名前!」

「よく言われます! 眼鏡とか教鞭とか持ってないのにザマスザマスとか言われて、凄く悪目立ちして、」

「へえ~じゃああだ名ザマスでいい?」

「ミラー様?」

「ごめんごめん、じゃあゴンザレス、さよなら、」

「え、」

「フッハハハハハ、ごめんねえ~さっき言った事は本当なんだけど、言ってなかった事がまだあるんだよねえ、…モブ子達全員今の内に蹴散らしておこうって、ブラウンと二人で昨夜の内に決めてたんだ。消せる時に消そうって。さっきのは油断させる為にわざと仲良くしてたんだよ、あーまあもう聴こえてないかあ、呆気な、まあ大した事無いモブで良かった。あとは最後尾組のモブ二人か…とりあえず、ブラウンちゃーん! スミスちゃーん! 私ミラー、今行きまーす!」

 

 

 

「あ! スミスちゃーん!」

「ミラー!」

「会いたかったよお~そしてさっきは騙してごめんねえ~!」

「ブラウンに聞いたわ、いいわよ、私の方こそ気付けなくてごめんなさい」

「ホントに?」

「え?」

「ホントに気付いてなかったの? 割と私ら二人共スミスちゃんにさり気なくメッセ送ってたんだけど、」

「…気付いてなかったわけじゃないけれど、さすがにあの四面楚歌の状況だと泣けちゃうわ、…言わせないでよ、もう」

「ごめえ~んもうスミスちゃんたら可愛い~」

「それはそうと、ブラウンの残したリボン、もう過ぎてるわよ」

「えっ?」

「気付いてなかったのね。第一通路の最後に残してあったわよ。他の場所にももしかしたらあるかもしれないけど」

「えー!」

「ふふ、もう、」

「ごめんごめん、えー、そっかあーあっでもまだある場所あるかもだし、二人で一緒に探そ~」

「そうね、私も足手まといにならないように頑張るわ」

「なんないよお~存在だけで可愛いも~ん」

「もう、」

 

 

 

「…ねえ、さっきのC軍出た後すぐで、あのパネル8になったよね」「あ~それ、やっぱあのミラーって奴嘘吐いてたんじゃね?」「やっぱり? どうしよ、待ち伏せとかされてたら…」「うーん、とりあえずうちら銃無いけど二人で頑張るしかないよねえ」「だよね…うっ、ブライアン様が一緒にいて下さったら…」「まあ一応一緒だけどうちら二人共明らか置いてかれそうではあるよね」「そんな事言ったら私一人だけ置いていかれるに一票じゃない、ウィリアムはまだいいけど、」「あ~それなんだけど、陸上サークルとか脚速いとか、アレ、嘘なんだよねえ」「ええ?」「だってそういう事言っとかないと、皆下手に見て変に仕掛けてくるかもしんないじゃん」「何なの私には言っても大丈夫って事? 下手に見てるって事?」「いやだって見るからに運動神経悪そうだし昨日も全然だったしさあ~」

 

 

 

「おっ、ミラーじゃん」

「ショートカットルート速いじゃん、乙~」

「どもども。二人がまだこの場所っていう事は私にもまだ先着二名の枠に入れる可能性があるって事~? いや参ったし~!」

「いや参るなし!」

「まあブラウンにだったら取られてもいいけどな~むしろエバンス差し置いて二人で取ろうぜ~」

「下手に見んなよデカパイ」

「うっせえ赤髪」

「ちょっとケンカしないでよ二人共~まあでも私は先着二名枠じゃなくてもいいから、二人が取っちゃってよ」

「いいのか?」

「安心しろよブラウン、コイツ蹴落とせばお前と私で先着もぎ取れるぞ」

「いや、ミラーとも話したんだけどさあ、一人安全圏残っててもらって、私とかは試験受けてみる方向でいこうって話したんだよね」

「なる、まあそういう事ならいいか、もらってやるよ!」

「うるせえ赤髪調子乗んなし、まあブラウン達がいいならいいけどさ~後で逆恨みすんなよな~」

「しないしない、むしろ何かあったら二人で助けてよ、協力して全員でこの変な建物出ようよ~」

「昨日会ったばっかなのに助ける義理なんかあるわけねえだろバカかよ」

「ブレねえなエバンス」

「まあ皆が試験してる時に私ら二人でサドンデスでもするか」

「ハッ、お前死にたいのか?」

「あ? うっせえなお前勝つ気か? 勝てると思ってんのか?」

「ちょっと二人共~、」

 

 

 

「あ、カラーリボンあったわ、」

「あ~でも次シャワー室とか抜けて食堂だよねえ、どうする普通に通る? そろそろ一旦休憩してからまた進まない?」

「そうね、食堂で一旦休んでからまた進みましょう」

「ありがと~」

「ブラウン達はもう食堂に着いてるのかしら」

「どうだろ、まだC軍出たばっかりだからなあ」

「…ねえ、やっぱりミラー、ショートカットルート通ったんじゃ、」

「ん~、とりあえず五分休憩後でいいかなあ」

「…そうね、そうしましょ、」

「うん! アザで~す!」

 

 

 

 ~ 残り人数、…8。 ~

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『第九通路、A軍』

第九通路、A軍。

 

 

 

(ここに入る予定の何かがあったり…)

「」

 

 

 

『昼食時間が終了しましたので、次の通路の件を説明します』

「何かもうこの機械音声慣れてきたわ」

「愛着わくなよブラウン」

「そこまではいってないよ」

『第九通路は、フルマラソンです。このマラソンでの先着二名のみ、マラソン後の休憩後にある試験二つが免除されます』

「先着かあ」「ブライアン様かしら」「絶対そうよねえ」

「もう黒人もガルシアもいないもんなあ。まあでも残り一枠か」

「じゃ、その一枠貰うかな」

「絶対無理じゃね」

「わかんねえだろ」

『マラソンはA、B、C、Dの四つのグループに分かれてスタートしてもらいます。順番はアルファベット順で、D以外は各二名、Dは三名です』

「陸上やってた事を考えると残り一枠ミラーなんだけどねえ。ねえミラー?」

「え? ああ、そうかなあ~でもウィルソンとブラウンも足速くない?」

「あー、ね。まあウィリアムも陸上なんだっけ?」

「まあそうですねえ!」

「何で敬語?」

『フルマラソンは12:00にA軍スタート開始から計四時間、前の軍がスタート後一時間後に次の軍がスタートになります』

「えー今11:35かあA軍よりかB軍のがいいかな」

「まあでも先着二名は試験免除なんだろ? だったらそっちのが良くね?」

「もしマラソンが時間に間に合わなかったら試験で受かったりしないかな…」「実技ダメだったら無理じゃない? 今までもそうだったじゃん」「あーまあ」

『所定ルート通過途中で制限時間内にこの食堂に入れなかった場合は失格となり、生存不可となります』

「うわ~ていうか食堂また来んの?」

「この後の休憩また食堂なんじゃねほらスミス嬢持ってる休息時間のタイムスケジュールにあんじゃん」

「あ、ホントだ~」

「スミスちゃんありがと~」

『フルマラソン所定ルートを伝えます。この建造物内の最初のホールがスタート地点となり、後は本日昼食時間前までのルートと同じルートとなります』

「は?」

「うっそ」

「え~」

「…通った事のある場所ならまだ大丈夫そうね」

「ま~何も追加されて無かったらね」

『追加要素はありませんが、抜け道を探し当てられたらその道を使っても構いません』

「マジ?」

「いやった! ぜってー探す」

「えっ抜け道ってあの寝室から下に一直線じゃないよね?」

「あれも入ってんじゃね? 説明に無ければだけど」

「えーどうやって降りる?」

『順番は各自で決めて構いませんが、一度決まった順番は変えられません。尚、マリア・ウィリアムとマリア・ジェンキンスは午前のバトルロワイヤルに不参加の為、一番最後のD軍スタートになります』

「は?」「嘘…!」

「うっわやっぱペナルティあんじゃん残念ウィリアム~とブライアン嬢信者~」

「わ~かわいそ~」

「えっちょっと待って、」

「ま~陸上サークルなら大丈夫なんじゃね? 足も自信あんでしょ?」

「まあ、」「私は違いますけど!」

「いやジェーンには言ってねえよ」

『五分でスタート順を決めた後、テーブル上の用紙にそれを書いて食堂返却扉に入れて下さい。その順番で12:00スタートします。スタート場所は午前に使用した扉の左隣のEXIT-2です。以上』

「だってさ。どうする?」

「私一番が良いですエバンスさん! 体力に自信無いしこれくらいは譲歩してほしい、」

「モブ女に譲歩するわけないじゃん。私とウィルソンで決めない?」

「いいけど、他の皆はいいん?」

「あ、最初にいいかな」

「ブライアン嬢」

「えー何一番がいいの?」

「珍しいねえ、何? IQ少女さん」

「私、D軍スタートに立候補します」

「ん?」

「へ?」

「あ、えーと、」

「あー、まあいいんじゃない? んじゃ立候補ブライアンちゃんとペナルティ組二人はD軍ね」

「えっ、ブライアン様いいんですか?」「いやでも一番速いですし問題は無いとは思いますけど~」

「いいの? ブライアンちゃん」

「ちょっと挑戦してみたくて」

「え、あのルートを最後尾で挑戦?」

「いやまあブライアン嬢なら大丈夫なんじゃねうちらの中で一番体力もあるし足も速いし」

「えー、じゃあアタシはB軍かなあ」

「いいのかよブラウン」

「この後ちょっと休憩してから行きたいんだよね~んでB軍スタートしてショートカットルートで先着目指すわ」

「あーまあその方が余裕持って挑めるよねえ。よし、私C軍かな」

「お~さすがミラー余裕だねえ。んじゃ私遠慮無くA軍立候補するかな」

「そうこなくっちゃな~って事で私とウィルソンがA軍。異議無いよな?」

「銃で脅すの止めて下さいエバンスさん、異議無いですから許して下さい」

「んじゃ私ミラーとこのモブさんがC軍で、残りスミスちゃんとブラウンちゃんがB軍ね?」

「まだマシかしら…ありがたいわ」

「スミスさん代わってくれない?」

「嫌よ、私50m走はいけても長距離は無理だから」

「くっ…」

「何だ五分しないで決まったな~んじゃブラウンとミラーそれ書いて提出すんのよろしく~」

「私とウィルソンは化粧室行ってるわ」

「あの二人がそれぞれの部屋のリーダーである事を思うと納得はできますけど…まあ私はブライアン様と一緒ですから! ブライアン様、よろしくお願いします!」

「あ、ごめんライバルだからあんまり仲良くはできない」

「え、」

「えー何ブライアンちゃん何気私達ペナルティ組の事ライバル視?」

「ブライアンちゃん別にライバル視しなくても余裕じゃね?」

「てか挑戦してみたいから最後尾組とかマジそっち系とか思っちゃうじゃんやめなよ~」

「あ、ごめんそっち系ではないけどSでもないから普通かな」

「謝るかし調子狂うなあ…スミスはBだから私と一緒だね~まあ一緒にショートカットルート探そうよ」

「ええ。よろしく、ブラウン」

「まあ途中で置いてくとは思うけど、体力温存さえしてれば大丈夫なんじゃない? ってなると後から来たミラーと合流…は無いか」

「そうだよねえ一時間も差あるもんねえ。まあショートカットルート私も探したいけど探せるかわかんないし、普通に進むかな~」

「んでまあブライアンはクリアするとしても、ペナルティ組は壊滅的かな」

「まあそだね~よし書いた、入れてくるねえ」

「いってら~」

「ねえウィリアム、ショートカットルートあるとしたらどの辺りかわかる?」「いや私頭使うのはちょっと…つかお前も一応私のライバルなんだけどな」「同室のよしみは?」「生き残りにかかってるし助ける余裕は時間的にも無いけど」「…あったら教えてね、」「いや今の聞いてた?」

「…ブライアン、本当にいいの? まあミラーもう提出しちゃったけどさあ」

「うん。ハンデないと目立てないかなって思って」

「…ふうん、」

 

 

 

『12:00、2分前になりました。A軍は所定扉前に行って下さい』

「んじゃ私ら先に行ってくるな~」

「んで先着も二人でいただきま~す」

「あの二人何か仲良くない?」

「一時的なやつなのか知らんけどまあエバンスは割と意見合いそうだよねえ」

「ウィリアム、時間までどうするの?」「いや~普通に寝て体力温存しとくかな~」「私もそうしようかな」「ブライアンちゃんの時と態度格差酷いねジェーン」

「スミスはどうするの?」

「私は少し休憩するわ。青の部屋の段ボールベッド、貸してもらえるらしいから。ブライアンは?」

「私は最後尾組だから後で少し寝ておこうかな」

「そう。じゃ、先に失礼してるわね」

「うん。おやすみ」

「私も寝るー! ブライアンせめて今だけ見張ってて私銃持ってないしあとよろしくおやすみ!」

「あ、おやすみ…」

「ブライアン様私の事もよろしくお願いしますおやすみなさいませ!」

「おやすみ…」

「私は後でにします…どうせC軍ですし」

「ウケる敬語になってら」

「優しくしてやれよ銃持ってないんだろ~」

「まあ放置かなあ~ウィルソンがんば~」

「うぃーす、まあ一番最初だし安全圏でゆっくり無理せずいくわ~」

「うわっ余裕じゃん~」

「ふはははは」

「デカパイ食堂着いたら先シャワー浴びて汗かいた谷間で迎えてね~」

「オッケー、つかミラーその呼び方止めろっつの」

「やっべ」

「だはは」

『12:00ちょうどになりました。EXIT-2の扉を開きます』

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『休息時間、四』

休息時間、四。

 

 

 

 午前の白く眩しい陽光が、壁全てが窓硝子の二十五mプールの揺れる透明な水色の塩素水と水に濡れた真っ白な床を照らす。

 利用者全員が男女問わず白緑黄赤青と各々カラーの違う水泳帽をかぶり。首周りから明るい緑黄緑黄緑と順に下へ縞々を作る段々のふわもこフリルで首周りから大腿上部半分の脚まで覆うノースリーブの体型がわかり難いミニワンピ型とショートパンツ型が混同した水着を着た女性達が、白いビーチパラソル下や遊泳型プールで休み遊びゆったりと水に身を任せる。首周りから明るい真緑の無地に黄色の細いラインが近代科学的な幾何学柄で緑の存在を消さずシンプルに入る撥水生地が腰回りまで覆うノースリーブ型を上に、厚みがある白いふわもこの撥水生地が腰回りから大腿上部半分の脚まで覆いウエストを白紐で結ぶ型の水着を下に着用した男性達が、二十五mプールを遊泳し白ビーチカウチでペットボトル入飲料で喉を潤し、あるいは硝子越しに視える「プール専用販売店&喫茶室」という文字を掲げるエリアでペットボトル飲料浮輪水鉄砲サバイバルナイフ小型拳銃等のビーチでよく見かける物を販売したり喫茶室スペースで訪れる美人美女達に透明な器の大きいビーチグラスをカラフルに染めるノンアルコールカクテル等の飲食物を提供している。

 「社長専用」の文字の入った白ビーチカウチ前で硝子越しに白い陽光を受ける、白熊耳型に上部に凸を二つ並べ白熊顔がプリントされた白水泳帽をかぶった社長が、首周りから大腿上部半分までをふわふわ型の白い撥水生地で覆う水着を着用した姿で、肩から伸びた筋骨隆々な腕で腰回りに通した透明な白い白熊浮輪を支え、筋骨隆々な脚の下に伸びる素足で白く輝くプールの床に立つ。

 一見細マッチョより一周り大きい筋肉質な身体を白熊ビーチスタイルで覆う高い背丈の社長が、美形しかいない男女達で賑わい時折サバイバルナイフ銃弾歓声悲鳴拍手が飛び交うプールホールに響き通る声で一声をあげる。

「私、美しい!」

「あ、社長さんだ」

「今日もナルシストッスね~」

「ここのビーチ専用カクテル美味しかったよ」

「あ~あれね」

「えっペットボトル以外の飲食物禁止じゃなかった?」

「このペットボトル型ステンレスボトルならいいって」

「えー中見えるじゃん凄く良い~」

「しかもこれ上とボトル部分分かれるから手入れし易いわね~」

「あっコレNo.持ち12人メンバーズの会社の一つじゃない」

「あ~ここの多少の力でダメにならないから凄く良いのよね~」

「そうよね私達みたいな怪力祭セール集団には重宝物よね~」

「え、このステンレスボトルごと買いたいんだけど」

「あの出入口でビーチ用品と一緒に売ってるわよ」

「え~ちょっと買ってくる~!」

「私も~!」

「美しい…美しい者しか出入りしない空間で美しい物しかない空間で美しい景色を眺めながら美しい景色(眺望)を眺めながら美しい私が美しいリフレッシュをして美しい汗をかきそして美しい飲み物を戴く…こんなに素晴らしい日があっただなんて、」

「今日は十二月二十一日ですねえ」

「明日は冬至ね。新米秘書君、ちょっとそこのペットボトル取ってくれるかしら」

「アイサ~、先輩」

「私の美しい秘書や部下達も美しいリフレッシュで美しい汗をかきより美しさを増している! うん実に美しい日だ今日は」

「今日は十二月二十一日ですねえ」

「わかったわよ社長のあのノリには誰もついていけないから安心なさい。…このサングラス型ゴーグル良いと思わない?」

「前衛的ッスよね~俺は普通のゴーグルが良いッスね。そういや先輩ここのビーチ専用カクテル飲みました?」

「帰りに買っていく予定よ」

「俺さっき飲んだんスけどマジ美味しくて、まず果物、」

「ちょっと待ってネタバレは許さないわ後輩」

 

 

 

 レンジの電子音開閉音や、テーブル上でトレイがスライドする音、配給食の準備音、そして若い男女の話す声が、簡素な真白い部屋で賑わう。

「今の時間例の社長ビーチ使ってるらしいわよ~」

「あらやだ私達と時間かぶらないようにするとかさすが仕事デキる人は違うわね~」

「そういえば暗殺の仕事儲かってる件、例の社長に聴こえるように噂話しといたわよ」

「これで人手不足解消ね。あの会社の秘書も暗殺の仕事してるらしいしあとは若奥様の長子である行方不明のお嬢様も加勢に入って下されば…」

「子供は子供が殺す方が捗るものね~」

「そういえば若奥様の次子と三子のご子息様がたも暗殺の仕事してるらしいけどもうクリスマス近いから休暇に入るのよね~」

「珍しいわね休暇中も暗殺の仕事してるわよねあのお二人」

「そうよね今の話し方だと今年のクリスマス休暇は暗殺の仕事しないみたいな言い方じゃない」

「お嬢様回収された後で皆様でバカンスに行くらしいわ」

「あ~まあ五年もいなかったんだものねえ」

「バカンス先どこなの?」

「日本らしいわよ」

「え~モンゴロイドビーチ?」

「まあここ五十年は外国人とか地図外領域の人達がこぞって長く住んだりしてるから…」

「最近は五割か七割くらいは外国人なんだっけ?」

「大体七.五割ですね」

「あ~それ日本人外に出てるって事よね」

「きっとバカンスでも楽しんでるのよ~」

「そういえば昼食は少ないのね」

「あ~この後に控えてるからよねアレが」

「そうねえ、モザイクした方がいいのにモザイクっぽいモザイクを口からマーライオンされてモザイクが増えるよりかはねえ…」

「どうせなら砂糖出す方のマーライオンな会話しましょうよ」

「そうよそうよ」

「それもそうねえ、お題は?」

「心燃ゆるAIRAMプロジェクト関係者専用食堂の甘味シリーズ」

「ヤバいそれ砂糖出す方じゃなくて食べる方のやつ~」

 

 

 

「またレトルトかよレトルト以外も出せし」

「ウィルソン、マジそれ」

「てかパンと紙パックの飲み物は市販のなのな謎」

「ミラー、ホンそれ」

エバンス、そのレトルト毒だよ~」

「ああ、ありがと。グエン昨日から毒の当たり具合どうなの?」

「凄く美味しい~やっぱりレベル低い奴らが作ってるか微量しか入ってないみたい!」

「げっ何毒食って大丈夫なんソイツ」

「こっわ」

「ヤバくね?」「つか今まで割と毒食べて死んだ人いるんでしょ?」

「えー私市販のやつだけ食べてよ」

「私もそうしようかしら…さっきので食欲が…」

「あ、こっちのやつ舌ピリピリするやめとこ」

「ああ~ブライアン様ァ本当素敵ですわあ~」

「ブライアンの信者できてるしマジ怖え」

「ホンそれ。ていうか毒食べて大丈夫とか嘘じゃね?」

「あーあれ何かそういうファンタジーもののマネしてるらしいよヲタクってやつ?」

「マジ? ヲタクって毒の次元まで越えんの?」

「じゃない? まあうちらはキモヲタじゃないし普通に避けとこーよ」

「そうね…私はとりあえずブライアンの食べてる物だけ手つけたいかしら」

「まあな。でもこれでブライアンが毒に当たったらどうする?」

「つか毒表記無いやつにも毒入ってんでしょ? それって表記自体も信用できないって事じゃね?」

「ん~それは違いますねえ」

「ううわさっきの」

「ちゃあーんとしっかり表記にあるんですよ、ほらここに合法じゃない麻薬分類の薬物の名前が、」

「グエンだっけ? アンタうちらの部屋のメンバーじゃないんだからあっち行ってくんない?」

「ハッ。無知は本当に罪ですね~それにひきかえブライアンって人は多少はできるみたいですけど~」

「お前の方がブライアン嬢よりできんの?」

「そりゃあ、私は百戦錬磨、野生の中を生きた女ですからね!」

「それ野生動物と同じって事? それとも原始人って事?」

「ブラウン黙っとけって、ブライアン嬢が万が一ダメになった時の保険にしとこーぜ」

「あ、なーるほど、」

「保険には賛成だけどでもグエンって信用できんの?」

「そうよね…さっきからエバンスの隣で食べてるブライアンの食べてる物にしか手をつけていないし」

「ね、ブライアンの毒入りじゃないやつと毒入りのと取っ換えてみない?」

「いや貴重な人間にわざわざ毒盛って後々私らが窮地に、オイこらミラーてめえ、」

「ねえブライアンちゃーん、私このトマトのやつまだ無理なんだけどトマトじゃないやつと換えてくんないかなあ~」

「いいよ」

「マジで~ありがと~! いやホント昨日からマジ、トマト食べる気無くしてくるこの流れがさ~ホントにありがとね!」

「いえいえ。…あ、」

「うわーいったあー」

「これで食べたらそれまでの人って事よね」

「まあそうなるか、うちらにとっても今の内に要らない人間落とせる良い機会かな、グッジョブ、ミラー」

「どーいたしまして。っと、まあでも安全なやつもらいましたよさっきブライアンちゃん食べてたやつの残りだけど」

「大丈夫なん?」

「大丈夫じゃね。って事でいただきまーす」

「ミラーずりい私もやりてえ」

「あんまり数いくとさすがに怪しまれるじゃん」

「だよなあ。教室の時の反応も悪くなかったし、足も速いしほふく前進も速いしロープ上がりも速くて体力も化け物クラス、ついでに頭良い。何だコレやっぱ今の内に蹴散らしておくべきじゃね?」

「そーそー、今の内に減ってもらってさあ、モブい女達と一緒にお亡くなりになってもらう方が絶対良いじゃん、じゃないと私らが残り人数にあぶれるよ」

「だよねえ~マジ、ミラーのそういうとこ信用できるわ~」

「ブラウンはそういうとこブレないよねえ。んでまあエバンスはそこそこ頼りになりそうではあるから、保険でとっておいてもいいし」

「あーでも絶対アイツ裏切るだろ、同じ部屋の女平気で殺すわ顔色一つ変えないわだし」

「それうちらもじゃね?」

「いやここの三人は結束してんじゃん」

「いやスミスちゃんも入ってますけど! ねえスミスちゃん」

「あーまあでも私は三人程体力も運動神経も無いから、落ちる可能性はあると思うわ…」

「そんな事無いよお~」

「あ、そろそろ化粧直すぞブラウン、ミラー」

「えっ私も?」

「朝ブラウンメイクしてあげたじゃん顔にも髪にも~」

「あーあれね」

「スミス嬢はゆっくり食べてていいからな」

「ありがとう、お言葉に甘えるわ」

「あ~スミスちゃんと離れ離れにい~」

 

 

 

「んで、ミラーどうよ?」

「ん~やっぱスミスちゃんは全然だから落としてもいいと思うよ~」

「やは?」

「やはやは。だって運動神経と体力無いだけかなあとか思ったら言葉の端々にバカのレベルが滲み出てんだもん」

「だよなあ、昨日までは何か緊張してんのかもとか思えたけど、今日ガルシアいなくなった辺りからもう気色悪いもんなあ」

「そう思うとブライアンちゃんの方が生かす価値アリだとは思うんだけどさあ~、万が一アイツが生き残った後で私らと会ったらと思うとさあ、」

「医者の娘だもんなあ、尻尾振っとくに限るよなあ」

「まあそう言いつつウィルソンもう態度冷たいじゃん、ミラー、マスカラ貸してえ~」

「どぞどぞ。あーつかマジ自由に化粧できんのいいなあ~私の学校目立つとウザいからさあ、普段できないんだよねえ~マジ楽しい」

「やっちゃえやっちゃえ、えーつかミラー中々巧いじゃん、私美容師目指してるけど中々センスあるよお~」

「え、ホント~? 未来の美容師のお墨付きいただきい~」

「まあ私に比べたら全然だけどねえ~」

「まあそりゃあな~てかそうなるとブライアンは割と自由にさせつつ生かすとして、スミスはコッソリ盾にしちゃっていいよなあ」

「それなそれな~てかむしろスミス盾にしてブライアン生かしたいよねえ役に立つしい」

「毒の件とかねえ。まあさっきのトマトはたぶん食べないだろうし、全然いいかなあ、」

「まあでも落としとかないと他の奴らに警戒されたくねえしな~あとブライアン嬢も割とムカつく」

「それな。まあでも何か自由にしてるし案外ドライだから付き合いやすいんだけどね~あれでもう少し距離詰めたら残忍性っつーの? 人間の狂気性が出て今よりか付き合いやすいよねえ」

「あ~そうなん?」

「いやだって絶対皮かぶってる感じしない?」

「え~自然体に見えてたけどそういう事? だったら尻尾振ってもいいかなあ~なんて」

「いやでもレベル違い過ぎるし万が一の時の盾要因だよなあ」

「まっそれな」

「じゃスミスとモブ共は落としてブライアンは自由にさせつつ万が一の盾要因って事でいい感じ?」

「いい感じいい感じ」

「んでまあエバンスは態度次第って感じかなあ」

「あーだな。モブ共よりかはいいしむしろモブ殺させる役割だよな」

「あーそれ」

 

 

 

「…ウィルソン達、化粧室の声こっち側に響きやすいのわかっててやってるよなあ絶対。大丈夫? スミスとかいう女」

「あ~あれ絶対泣いてるよねえ」「つか寝室前の小さい部屋大丈夫なん落ちない?」「大丈夫なんじゃない? まあダメでも一人落ちるだけだし」「そうだよねえ、私ら他人の事より自分の事気にしないと…」「それだよねえ」

「どうでもいんじゃね、あんな頭空っぽの医者の娘なんか」

「アンタそういうとこドライだよねえ、まあいいけど。…それ、毒入りって書いてなかった?」

「え? でもさっきあのIQ女食べてたけど。嘘表記だったんじゃない? 普通に美味しいし」

「…へえ、」

「アンタも食べる? コレもう返却扉に入れてきちゃったんでしょ?」

「うん、あーでも私はもういいや、お腹いっぱい」

「そう。あー、私この後どうしよっかな~、食堂残ってていいならこの後もやり過ごせそうだし、少し寝て体力温存しとくかなあ」

「うん、まあその方がいいかもな~。お、ブライアン嬢おかえり~」

「ただいま、って言っても私皆の部屋のメンバーじゃないけど…」

「いいんですいいんですブライアン様はいて下さるだけでいいんです」「そうそうそういうとこは垣根無くて全然大丈夫なんでむしろここにいて下さい」

「う、うん…」

「あー本当ブラウンが最初言ってた通りになってきてるわ」

「ウィリアムお前市販のやつだけにしたの? 昨日からじゃね?」

「いやだって怖いしお腹空くけど」

「今日の午前中シャワー室前の廊下に閉じこもってただけだろ。つかブラウンが何言ってたんだよ」

「何かあのブライアンとかいうお嬢様っぽい女を中心にして自分とウィルソンとミラー辺りが生き残る~とか予想言ってて。教室入る前の通路で。その辺りから一応私もブライアンの言動見てるけど、やっぱり役に立つんだよあ」

「つってもお前午前引きこもってたじゃん、役に立ってねえだろ」

「いやだって怖いんだもん~殺されるならサクッとがいいよねえ」

「それ人割と殺してきたうちらが言える? まあ殺した奴ら全員クズだったからなあ」

「ホンそれ。…え、グエンどうしたん?」

「わからん、さっきからずっと、…あ、まさかさっきの毒入りのトマトのやつ、」

「えっ何毒入りってあるのに食べたの? バカなの?」

「うっわ、死んでね? コレ」

「うわあ~、泡吹いて顔とかしおしお。ちょっと離れようよ…」

「ウィリアム、いやむしろ寝室の部屋の床抜けてる所あんじゃん、あそこから下に落としとこーぜ、変なニオイで凄えラリりそうだし」

「賛成~って事でそこの二人手伝えし」

「あーブライアンはいいよ別部屋のメンバーだし」

「いいの?」

「いや大事にしとくに限んじゃん」

「えーでもあの人トマトのやつさっき食べてなかった?」

「え、嘘」

「ホントホント」

「見間違いじゃね? ピンピンしてんじゃん」

「あー言われてみれば。…開けたけど食べてなかった感じかな」

「そうだろ、いいからさっさとコレ運んで落とすぞ」

「アイサ~」

 

 

 

「え、何さっきのキモヲタ毒入りで死んだん?」

「マジやば~。避けてて良かったねえ、ねえブラウンちゃん」

「あー、うん…そうだね、」

 

「化け物、」

 

 

 

 ~ 残り人数、…9。 ~

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『第八通路』

第八通路。

 

 

 

「ここのカジノぜってえ儲かってるだろ」

「まあ中々良いかな」

「各テーブルごとに必ず飲み物頼めて横に置く所あって必ず誰かと飲み物挟まないで座れて尚且つグラスやカップがこぼれにくい形でテーブルも撥水と抗菌加工、入口横のバーを通らないと出入り不可でバーの飲み物以外にも軽食メニュー豊富、物によっては入口出てすぐのレストランに入った方がバーよりもお得に飲食可能なんてあったらもう、」

「まあサービスは良くしないとね…」

「儲かるだろ本当金のがめつさでは群を抜くよな他にも色々、」

「君カジノしないの? 赤のQ、」

「あーまあ得意ではないな、…白のF、」

「あーまあ君素直だもんねえ」

「お前に言われるのかいやまあ無表情でパフェ食べるお前に言われるのか」

「で、次何に賭ける?」

「あー、…、黒のA?」「僕は白のKで」

「何で番号じゃなくてアルファベット?」

「番号だと優劣感じちゃうじゃない。だからアルファベット。好きなアルファベットで賭けてもいいでしょ?」

「あーまあ」

「あと学の無い人がわかり易いからね」

「成程な、でも俺早速負けそうじゃね」

「まあ得意不得意あるからね」

「白のKか、」

「まあ私が勝っても意味は無いけど他の人は賭けたくなるよね、勝ってる人もいないと。次行く?」

「あ、うん。つか全部周遊するのか?」

「うん。二回ずつ。さっきの場所は連続で二回賭けられる場所だったし、数回勝った後に続けているのはお金稼ぎに来ただけの人達のする事だからね」

「あー成程な」

「で、さっきの会議の後だし、次は窓際の席行こうか」

「ああ」「僕はこのティーセットで」

「俺はこの珈琲ホットで。メニューにコレでって言う注文でOKとかわざわざ印字してるんだな」

「わざわざ記してある方が何かこうラクじゃない?」

「お前らしい。で、例のProject第一弾の後の話なんだが、渡されたメモだと西海岸ビーチへのお誘いがあってな」

「あーうちのメンバー全員お呼ばれしてるの?」

「ああ」

「メンバーの事そこまで知られてない筈なんだけどなあ。やっぱりユダかな」

「何人いるんだ」

「今のところ嘘のNo.1含めて6人」

「半分かよ」「わざとしてみたんだよね」

「この時期にか。そろそろ戦争の準備始まるだろ」

「そうだね、で元のメンバーは今学業とかで忙しい二人以外は必ず近くに待機して貰ってる、No.1の彼以外は」

「No.1は忙しいのか?」

「今時期は忙しいみたいだね、ちょうど彼も僕達と同じ頼まれ事をしているししていたから」

「…例のRANちゃんとかいうファン持ちの彼女と同じ類の件か」

「そう、今流行ってるみたいでさあ。本当嫌になるよねえ。…このドットシュークリームいいね、」

「その大きさだとこういうバーでも頼みやすそうだな。…うちの娘は同じ件に関わらせなくて良かった」

「まあ警察関連の仕事してたら免除されるかもね」

「割と皆やってるのにか? まあ表向きの組織に所属があるのは俺とかくらいか」

「たぶんチェック付けてたいんだよね、この領域での権力側の誰かが」

「まあ外からの人間だからなあ、にしても派遣先のチョイス趣味悪過ぎだろ」

「思うよ、僕も。でもそういう趣味の人が今表向きこの領域の権力側に立ってる。普通は有り得ない、彼らには元々能力が無い、皆無だ、我々みたいな人種の者が教えて初めて何かをできるようになる、それ以外は猿だし猿だったしこの先もそれは変わらない」

「…ここの席も個室っぽくて話はしやすいな」

「だよね。一応店員側から見渡しやすい配置にした上で壁を作ってるし、壁も分厚いからそうそう隣を覗きにくい、気にしてる素振りがあればわかりやすいくらいの距離感でもある」

「今回のプロジェクトみたいな形でもない限りは人捜しもしにくい」

「そうだね、それも予めわざとユダを入れないと、気付かれやすくなる」

「…本当にプロジェクトを依頼してきた人物は違う人間だよな」

「そうとしか」

「金の羽振りは良いが犯罪者から巻き上げた金じゃなあ」

「だからこそ我々も、マトモな人達の手助けをするような形で仕事の依頼を受けた」

「まああとは他の経営で賄えばいい、」

「僕達は頭が良いからね、腕も良い、」

「ナイフ投げ得意だなあ相変わらず」

「君は音のしない銃が相変わらず好きだよね」

「便利だからな、それに俺一応警察側」

「さて、さっきの会議参加者関係者含めた厄介払いも終わった事だし」

「ユダ炙りに行くか」「君も行くの?」

「ちょっと関係者の一人に聞きたい事があってな」

「まあ君なら大丈夫かな、」

「あー久しぶりに暴れやすい相手か、」

「うんまあ能力値はバラバラみたいなんだけどね」

「…他に何かあるのか、」

「まあ君はそんな知らなくていいと思うよ」

「取り敢えずクズは殺していいんだろ、久しぶりにスッキリしてえわ」

「サッパリしてるねえ」

 

 

 

「なあ、さっき地下二階に下がったばっかだよな…?」

「ホンそれ」

「うあ~ていうか私のか弱い手があああ」

「ちょっと辛いけど、ブライアンが教えてくれた方法でなら上がりやすいわね」

「ホンそれ。ていうか今度は赤髪達に囲われてるし」

「慕われるねえ」

「マジそれな。つかこのロープだけであんな上まで登るのマジきつくね?」

「ホンそれよね。…ああ、ダメ、私ちょっと休憩してくわ」

「あー、じゃ、先上がったメンバーで残ってる人引き上げてく?」

「いいのか人数減らせるぜ~?」

「あーまあしばらくは大丈夫じゃね何か今日はルール破った奴ばっか殺されてってんじゃん」

「そうよね…でもそうなると姿の見えない2人はどうなるのかって事だけど、」

「あれスミスちゃんペース上げて大丈夫なん?」

「ブライアン見てみて」

「…何?」

「教えられた通りにやってたと思ってたけど、あの方法なら早くラクに上がれるみたい、」

「それでも辛そうだな」

「まあスミス嬢は医者の娘だからね~」

「てか赤髪達同じ方法でペース上げてんじゃんマジやべえ」

「こっちも上げてこ~つかさっきの部屋出たらこの針山の吹き抜けの部屋に出たの笑う」

「笑える…? つかあの死体偽物だったんだねえ」

「ウィリアムとかいうバカ女の言う事アテになんなかったな。てかアイツいなくね?」

「あー何か赤髪達話してたけどスロープの時にいなかったからたぶん食堂か寝室に残ってたんじゃねとからしいよ」

「へえ~それで何もお咎め無いなら私らも残っときゃ良かったな~」

「いやでも後でどんな目に遭うかわかんないじゃん」

「いやまあ確かにな…っと、到着~!」

「いや凄えブライアン嬢マジ凄え」

「本当ね…」

「スミスちゃん大丈夫? 私が抱擁したら体力回復する?」

「…逆効果よ、ミラー…」

「えってかこれ食堂の階には戻ってるよな高さがあの例のC通路と同じじゃん」

「つか針山の吹き抜け部屋にこんな場所あったんだね」

「あん時マジ余裕無かったもんね~」

「ミラー元気だなあ」

「さっき寝かせてもらったからスミスちゃんと」

「私さっき寝かせてもらって良かったわ…体力温存してなかったら間に合わなかった、」

「何か1人足りなくない?」

「あーブライアン嬢の方法がダメな運動音痴ちゃんか。今真ん中辺りだな」

「どれ?」

「えーてかあれ一番ロープすり切れてんじゃん何であれ選んだん?」

「だよねえ一番端の選んでたらもっと安心、うわっロープ切れた、」

「あー待って待ってちょっとグロ過ぎ見れない」

「偽物の横に本物が…」

「いやミラーガン見かよ」

「いやだってさすがにあんまり見えないし」

「あー待ってさっきの音グロ過ぎてちょっと、ゔっ、」

「あー吐いちゃえ吐いちゃえむしろ針山の上に吐いちゃえ」

「いやそれ逆効果じゃん」

「てか次の部屋に入る場所どこなん?」

「あっエバンスちゃんがモブ子から銃奪って銃の形の扉にそれ入れてるけど」

「あー銃一つ失うけど先進める感じかつかナイフとかあればなあ」

「あーそれ弾切れの心配無いよね」

 

 

 

「うーわ何か映画とかで見た事あるやつある!」「あれじゃん処女何とかじゃん」

「アイアンメイデンだっけ? 出口はあるけど何かしないと先に進めないのかね」

「みたいだね。あ、他の皆も来たよ」

「遅かったなー、ウィルソン達」

「つかお前同じ部屋の奴死んだけどいいん?」

「あー何か端の方がいいんじゃねって皆で言ったんだけど聞かなくってなー」

「あー何だ騙したんじゃないんだ?」

「人聞き悪いな、ブラウンだっけ? そっちだってルイスとかいう黒人女陥れたんじゃねえの」

「いやアイツ割とハブにしてたっつーか私ら相容れてなかったから…」

「へえ。まあいいや、それより次どうしたら次の部屋進めるか考えよーぜ」

「言っとくけどお前私らにとって敵だかんな調子乗んなよ」

「それマジ、ブーメランなんだけど」

「ねえ、この変な女の顔のやつに何か書いてるんだけど、」「え~でもこれ1人犠牲にしなきゃって事?」

「え~何々、…"この中に1人入る事で先へ進む事ができる"?」

「それってさっきの偽物の人形じゃダメなのかしら」

「スミスちゃん頭良い~」

「それでいこー」「あーまあその方が安全そうだよね」

「問題は誰が下から運んでくるかだけどな」

「あーそれ。往復してる間に時間過ぎちゃうよこの通路あと1分じゃん」

「んな事しなくたって最短の方法あるじゃん」

「最短の方法って、」

「うわっちょっと赤髪、」

「うわあ」

「ブライアン嬢ちょっとノンビリ過ぎん? 隣のロープ使ってた相手が撃たれてんだぜ」

「あっごめんちょっと見慣れてきちゃったかも」

「まあうちらも人殺したり殺されるの見るの日常茶飯事だけどね」

「まあね~さっきルイス達が言ってた事も当てはまるしマジ、クズしかいないよね~」

「そうね、まあ珍しくはないけど…扉が開いたわね」

「次の部屋どんな感じ? つか今何時?」

「わっちょっと食堂じゃね?」

「は? うっそ、ホントだやべえ」

「あー! お前食堂残ってたん?」

「え、何で残ってるの?」

「いや、残っちゃダメとか言われてないから大丈夫かなーと思って。皆大変だった?」

「ズールーいー!」

「ははははは、ラクして生き残ってますははははは」

「何かシラけたな…私らの労力何だったんだよ」

「本当それよね…」

「ああっスミスちゃん!」

「いやでもあと2人足りないよな?」

「さあ~どうでもよ」

「てか食堂に来たって事は次昼食? 休憩?」

「あ~マジ助かったあホントほふく前進とロープでかなり上がったから主に腕がヤバい」

「ホンそれ」

「えーつか人数減ってね?」

「お前と違って私ら殺し合いしてたんだよ」

「超怖~」

「お前マジむかつくルイス達みたいにペナルティくらってろ」

「えっ何あの黒人ペナルティくらって死んだん?」

「あーま、自業自得ってやつ?」

「何それ怖ってか悲しんでる人いなくない?」

「いやだって昨日初めて会ったメンバーだぜ」

「一部で会った事あるけどね」

「あ~ブライアンとアタシとかね~」

「そういえばミラーに友達面してた同級の子は?」

「ああ、昨日教室で死んだんじゃね?」

「つか全員人殺した事あるメンバーだし悲しむ人なんていなくない?」

「それな~えっでもブライアン人殺した事あんの?」

「あーまあ、」

「へえ~大人しそうなのにやる事やってんだ」

「私はやった事無いよ犯罪なら沢山してるけど」

「あーお前次死ぬな」

「えーやだあ」

「うるせえペナルティくらってろ」

 

 

 

 ~ 残り人数、…10。 ~

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『八室目』

八室目。

 

 

 

『なあ何でお前続けてシフト入ってんの』

「何だよ11番目君が続けて入るよかいいだろ」

『いや労働時間の事言ってんじゃねえよ何でお前が続けて入ってんだよ俺入れないのに』

「徳? 普段から積んでるからな」

『くっ、お前他の事で詰んどけ』

「日本語でギャグ言うなよモンゴロイドビーチ送られるぞ」

『大丈夫今たまに日本語勉強してるからこのAIRAM-Project第一弾終了後でRANちゃんとそのご家族が日本に旅行に行くの知ってるから俺同じ場所行くからRANちゃんとランデブーしてくるから』

「いやあ俺も行くんだよな本当偶然だけどよ」

『あ~? 何だとテメエ控えてろ』

「お前が控えろよ」

『俺控えないRANちゃん追っかけするRANちゃん追っかけして甘やかして愛でる』

「RANちゃん甘やかすのは俺の役目お前違う役目」

『そういうお前だって甘やかす以外の事もしてんじゃんまあでもヘビーファン第一号は俺だから』

「まあ第一号は確かにお前だけどてか俺ヘビーファンではねえよ」

『ハッどうだかこの前、』

「…私そろそろ挨拶してもいいかしら後輩君達」

『「七番目の先輩お疲れ様です」』

「この私の美しい美貌を前にしているのに噂のRANちゃんの話に夢中になって気付かないなんてね美形の後輩達だから仕方が無い許してあげましょうか」

「その言い方だとギリBでLに間違われそうですね」

『そうだよな間違われそうな発言だけ控えてほしいッスねキモいんで』

「私今日も美しいよね…」

『「あ~ま否定はしないどきますけど間違われそうな発言はできないんで無視でいいスか…」』

「すみませんうちの主人に対してBでLな発言動は控えていただけますか、」

「あら8番目の執事君今日もいるの? ていうか他の人の執事とか来てなくない?」

『俺の時にも例の発言動控えて貰いたいんスけど』

「そういや他の人の執事見てねえなこのプロジェクト中」

『なあそれ許されてんのお前だけなんだよ何でテメエだけ執事連れて行けんだよその部屋に関係者以外立入禁止だろ』

「会議中もずっと居たわよねえそろそろ私も自分の執事連れて来たいんだけど」

「ダメです」「ちぇ~」

『なあ何でお前だけその体制許されてんのおかしくない』

「まあ俺の家裕福だからなメンバー内で一番」

『いや俺ん家だって裕福だろつか3番目の先輩とかのが絶対裕福レベル上だろおかしくねえか』

「まあ俺…セレブだから…」『ずりい』

「やだわ二人共喧嘩はよしなさい、」

「…距離をもう少し多目に置いていただけませんか、」

「あーもうわかったわよ席一つ分ズラすわよコレでいいー?」

「パーソナルスペースの確保有難う御座います」

「お願い事一つ聞いた分何かしてくれるのかしら?」

「…」「うっわうちの執事の鳥肌ヤベエ」

『画面越しでも顔にも鳥肌立ってんのわかるぞ超ヤベエ』

「やっやだジョークよ~!」

「凄え変な汗も掻いて一瞬凄え汗の臭いしたヤベエ」

『換気換気しとけ変な空気と一緒に換気しとけ』

「ちょっとそれどういう事かしら…」

 

 

 

「随分天井が高いな」

「やっぱコレ地下二階じゃね?」

「でもその割にはあの螺旋階段程天井高くないねえ」

「地下一階とか?」

「さあ…つかあと15人、まあ今いるの12人だけどそろそろ外出してくれてもいいんじゃ、」

『皆さん1kmのほふく前進お疲れ様です』

「1km?」「どーりで疲れる」「もうやなんだけどとっとと出せよ」

『次に昨晩の寝室の色の部屋へそれぞれ入って下さい』

「私らは青だな」「そうだね」「ねえ違う色の部屋入ったらどうなんの?」「えー絶対何かあるじゃん」「やっぱ緑の部屋入りたいよねえ」

「閉めるぞ、」

「あーもうウィルソンちゃんたら~」「つれないなあ~冗談だって~」

「あいつらマジ油断も隙もないよね~絶対ブライアンに縋ろうとしてるじゃん」

「まあうちらも人の事言えないか…」

「室内の椅子は5つなのね」

「あーガルシアちゃんいなくて良かったねえ、天井に6人以上は生き埋めになるとかあるもん」

「まあしょうがないわよね。…ブライアン?」

「他の部屋の人って言ってもピンクの部屋は一人もいないよね。あの部屋はどうするんだろ」

「さあ~気にしてもしょうがないだろ」

「それ。で、この椅子座って大丈夫なの? 何も仕掛けない?」

「お~ブラウンちゃん冷静ですねえ」

「こんな状況なんだから普通だって」

「まあ疲れたし何かあったら神様でも呪っとこ。私この席~」

「んじゃ私コレえ~」

「私は端で」

「私スミスちゃんの隣い~」

「じゃ、私はこれで。…隣の青の部屋の人達の声聴こえないね」

「さあ~疲れて寝てんじゃねもしくは朝食の毒に当たってるとか」

「有り得る~」

「うわっ壁に何か点いた」

「スクリーンね。この部屋で何を見せようっていうのかしら」

「ていうか人数分散させて見せるのにお金余分にかからないかなあ」

「お前こんな状況でお金の心配かよ」

「さすが守銭奴

「尊敬するわ」

「お金にがめついところも可愛いよブライアンちゃん」

『緑の部屋の皆さんはマナーが良かったので問題ありません。しばらくこの部屋で他の部屋の人達の様子を観賞してもらいます』

「マナー良かったとかアンタらの基準で言われたくないわ」

「とりあえず良い子にしてたから大丈夫って事なんだろ。安心安心~」

「あ、映像出たわ」

「青の部屋の人達は普通に私達と一緒…じゃないねえ、2人足りなくない?」

「メンバー入れ替わってるわけではなく足りないだけかあ」

「ルイス達の部屋、1人しかいないわね」

「ルイスいなくない? どこ行ったん逃げたん?」

「さっきの場所に逃げ場所なんてあったか?」

「ピンクの部屋とか?」

「でもピンクの部屋一人もいないよ」

「あっ部屋の映像無くなった」

「代わりにどっかの通路の映像出たな」

「あールイスじゃんコイツ他の経路から逃げようとしたんじゃね?」

「この2人と一緒に?」

「ていうかコイツらいる部屋どこなのコレ」

『別の部屋に入った者は全員、特別室です。彼女達は生きて出られたら次の部屋をスキップして進めます』

「マジ?」「ずりい」「え~私らもそうすれば良かった~」「ねえエバンスは誰に賭ける?」「え?」「どうせ暇だし誰が生き残るか賭けようよ」「賛成~私黒人にしようかな」「同じ部屋のメンバーじゃないんだ?」「だってアイツ鈍くさそうじゃん」「まあね~絶対落ちるよねえ」

 

「だってよ。どうする?」

「えーそれ終わるまで暇って事?」

「私寝ていい?」

「私も寝ていいかしら」

「あーまあいいんじゃね」

「そだね~でも私も寝ちゃいたいなあ」

「誰か起こしてよ」

「ブライアンにでも起こしてもらえ」

「あーまあ私起きてるけど、不安だから」

「私は寝ますおやすみ~」

「私もちょっとだけ寝るわ…限界、」

「あ~百合カプ仲良く寝たか」

「まあスミスは夜後半寝てないもんね体力も一番無さそうだし」

「それな。ブライアン嬢は寝なくていいん?」

「うん。夜前半で寝かせてもらったから」

「そ~元気だなあ。私もちょっと寝たいけど状況的になあ」

「コレいつ終わるかわかんねえしな」

「それ」

 

 

 

「つかアンタが誘ってきたんじゃん此方の部屋誰もいないし銃取り合いにあぶれた私達二人でもうまく出し抜けるって」「え~いやだってこんな状況になると思わないし」

「二人共いいから進もう、進まないとまた天井が落ちてくるぞ」

「わかってるよ!」「はーい。つかアンタ何で私らの事止めようとしたん? 普通に自分のいた部屋入れば良かったじゃん」「だよね。一人は残ってたんだし」

「…連帯責任に問われたらこっちが迷惑だからな」

「え~その可能性は考えてなかったなあ」「無いんじゃない? こんな状況で連帯責任て」

「まあお節介したのは悪かったよ」

「ふーん何気良い人?」

「いや、」

「あーでもここにいる奴全員ロクな奴いないじゃん」「それな。私何人か犯罪やってた子知ってる」「私も私も~。知らない子達もやってそうな奴らしかいないしねえ」

「…ブライアンは違うだろうがな」

「あーまあアイツの事助けるくらいにはお人好しだしなあ」

「アイツ?」

「ほら、針山の部屋の時に階段側に残りそうだった奴いたじゃん。さっきの部屋でドライヤーのコードで絞め殺されてた女」

「ああ、」

「あー、でも何かアイツ胡散臭くね?」「そう?」「うん。だって一番人殺してそうだもん」「へえ。同じ側だからこそわかる何か?」「いや、私は人は二人までしか殺してないよ」「二人殺ってたらもう充分じゃね」「まあね~ルイスちゃんは?」

「…私は、」

「ルイスちゃんも人殺した事あるっしょ? 最初のホールの時なんか全然ためらってなかったもんねえ」「見てたん?」「うん。ナチュラルに銃も奪ってたし」「うわあ、」

「出身が出身だったから、」

「…へえ、何かそれ、ブライアンとかいうIQ女に感化されてない?」

「いや、」

「されてるよねえ。何か時間経つにつれてほだされてる感ある」「あー、ね」

「…今までは自分の事だけ考えなくちゃ生きていけなかっただけだ」

「あーそれがアレに会って他人の事も考えるようになったって事ぉ? うわあ、」

「いけない事か? これまで叶わなかった事がもうすぐ叶いそうなんだ、」

「んーでも幻想だよねえそれ」「それ」

「さっきから好き放題、」

「だって他人によって変わったって事でしょ? それ根本は変わってないよねえ」「それな。デキる人見てたら何か自分もデキそうな気になってきた~!みたいな」「ホンそれな! あーうわ案外夢見がちの少女だったんだなあルイス、」「ふふっはは! ダメだって笑っちゃコイツの方が力強いのにさあ」

「ここを出たらもうお前達の事は放っておく」

「へえ~ここ出るまでは助けてくれるって事?」「へえ、ヒーローじゃん。かっくい~」「ぶふっ、」

「いいから行くぞ、」

 

 

 

「…これ会話内容全部伝わってるの知ったらどうすんのかね」

「さあ~どうでもよ。てかブライアン今の聞いても全然反応無いね?」

「え、」

「案外ドライだなあ、ブライアン嬢」

「いや…他人の考えだから特にこう、」

「ぶふっ、ヤバい超ドライじゃんそれ」

「ま、何つーか私らと一緒にいれるだけあるよな」

「まー、ね~」

「つか天井落ちてくる間隔早くなってね?」

「それね。やっぱあの三人も殺しちゃおって感じ?」

「ひゃー。良い子ちゃんにしてて良かったわ」

「あっ、ルイスさすがに焦って他の二人置いていってる」

「あー言ったそばから」

「言った以上は頑張れよなあ」

「ホンそれ」

「あっ、あいつルイスの腰に縋りついた」

「おやあ~ルイス殿振り払ったな」

「あっ落ちてきた天井で潰されてら」

「でもあとちょっとじゃん? 二人生き残るん?」

「ん~どうだろ、あっ出口に一人専用脱出ポットってあるけど」

「嘘じゃね?」

「あれに二人は無理そうだなあ、あっ天井もうヤバい」

「あー天井落ちてくる直前でアイツ見捨てた」

「ルイスとうとう約束守んなかったなあ!」

「やべーウケる焦り過ぎだし」

「あっ脱出ポットが天井で潰れる、あー潰れた!」

「へえ~どうすんのかね、…っふ、泣いて縋ってやがんの」

「あーマジくそだなコイツ本当やべえ」

「それね。っふふ、やべえやべえやべえ命乞いしてる、」

「あっルイスの上に天井落ちた」

「あージ・エンド~」

「はい終了~」

 

 

 

 ~ 残り人数、…12。 ~

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『第七通路』

第七通路。

 

 

 

「女神の思し召しがあらん事を」

「「「「「「「女神の思し召しがあらん事を」」」」」」」

「…笑っちゃうねえ、どこにいるかもわからん女神に対してこうやって頭下げるなんて」

「本当そうだね」「まあ男だけの会議だから」「それ関係あるの?」「さあ」

「まあいいか、始めよう。さて、これより"西暦世界地図外出身者"のみの"西暦地図内公的北米エリア籍所有者"代表会議を始める」

「宜しくお願いします」「宜しく」「宜しくお願いします」

「今回の議題だが、昨今、地図内領域政府より発行された戸籍から許可無く抜ける者が多発している」

「最近震災多いしねえ」「事件事故も含めたらもう抜ける穴が国範囲になるよな」

「そこ控えて、で、地図外出身者に対してのチェックリストを完璧に付けておきたいあちら側としてはこの事態は凄く困る事らしい、まああちらの要望は簡単だ、領域内政府の言うルールを守れと。今回再提示そして注意勧告を受けたルールは三つ。一つ目、提示戸籍出入時は必ず申告する事、申告不可能時は関係者へ必ず申告する事。二つ目、仕事でこの領域に入った者にもルール適用される事を念頭に行動する事、ルール逸脱者は如何なる理由があろうとも処罰対象になる事を念頭に行動する事。三つ目、寿命長寿者含め地図外出身者は全員、外の世界の事を地図内出身者に開示しない事。以上だそうだ」

「そんな事言われても難しくない?」

「おい」

「だって普通に仕事の話するのに地図外の事話さなきゃじゃない、難しいよ大分。私はホテル経営とかで場所を作ってるし私一個人の好き嫌いで選ぶ会員制にしてるからまだ大丈夫だけど、子供とか財力無い人達にとっては酷だよねえ、まあ財力無い奴らはどうでもいいとしても、子供とかが一時的にお金無い時とか不安だね」

「そうだな、そういう時に寿命の違いで仕事の差があって職に炙れるなんて事もあるだろうし、そもそも仕事しなくていい年齢なのに仕事しなくちゃいけない事になったりする、向いてる奴らはいいだろうよ、まだ発展途上で学び盛りのお金持ち側の子供が困るんだよなあ」

「他の人はどうなの、困ってるよねこの件」

「まあ我々も確かに困ってはいるが、ルールを逸脱するのも怖くはある、我々より寿命が長い人達もいるだろうし、何かあった際にどういう処罰を受けるかもわからない、規定内の処罰だけならまだマシか抜けられるかのどちらかだが」

「つか領域外から籍無しで出入りして違法で商売してる奴らはどうすんだそっちのが問題じゃねえのか」

「まあ商売だから文句言いにくいんだろうねえ」

「ウイルスや麻薬関連も今地図内領域政府の方で画策しているみたいだが、あのやり方はどうだか」

「却って蔓延させてるようにしか見えない」

「そう思うよ私も、まあ少し目を付けられている状況だと思ってくれ、今の我々があちら側にする事は三つだ。一つ目、あちら側に今回提示と注意勧告を受けた件で改善案と計画書を提出する事。二つ目、今現在の我々の使用戸籍を提示し提供された戸籍以外使用者の情報も明示する事。三つ目、今後文句を言われないルールをこちら側でも決める事」

「文句言われないルールって?」

「例えば、こちら側、地図外出身者のみで仮の団体を創る。これは地図内領域ルールにのっとって創る。その団体内と団体所有建造物内でのみ地図外についての発言動や活動を認める、そういったルールだ」

「今もしてるけど…?」

「まあ俺達はやってるな、他の人は?」

「…」「あーうちは財源確保が難しいから場所が限られてて…」「うちも難しいかな」

「そういうわけだ、余裕がある人達に場所提供を依頼し、そして場所提供余裕が無い者はその場所利用チップを必ず払う、払えない者は団体所属失格だ、払えなくなった時点で退団して貰う」

「チップは幾らなんだ」

「幾ら払ってくれるかにもよるよね場所提供だってタダじゃないからね」

「予め他の者と考えていたチップ料金はこの金額だ、場所提供者はホール一つを毎月一度貸してくれるだけでいい、どうだね」

「…ちょっと足りないねえ」

「本当に?」

「こっちは商売でこのホテルも他の場所も経営してるんだよお遊びじゃないんだよ、毎月一度必ずなのであれば倍以上必要だね、君達はカジノでのマナーは守れるくらいには財力はあるのかな」

「カジノでのマナー?」「地下で商売してるカジノ限定のマナーか?」

「わからないような下の貧民には貸せないなあ、今の金額の十倍の値段を一人につき支払えるのであれば支払える人限定で月一度の集会の場を貸してもいいけどその場合はちゃんとこちらの認める本人認証を通してくれないと無理かな…」

「そちらに技術も財力も商才もあるのは認めよう、しかしこちらには、」

「商売だよ? お金は必要だよね」

「そうだな。金の無い奴らは金の無い奴らとだけつるんでればいい。俺達は自分達だけで何とかできる。今までも自分達でルール等作って上に睨まれない方法でやってきてる、アンタらは俺達にボランティアを要求してるだけだ、物乞いなら違う奴らにしてくれ」

「…私達は無理かな、」「うちのところも無理だ」「グループ分けてやる方がいいんじゃないか、」

「という事は我々とは決別という事になるな、他の地図外出身者と手を組んで今我々が立ち上げている団体とは違う団体を作るという事でいいのかな、」

「その通りになるな、アンタらが金払えないんだったら」

「言っとくけど後払いは絶対ダメだよ上級層のマナー遵守して貰わなきゃ前払いでさっきの十倍の額の三分の一は払ってくれないとね、月一度の集会場所を借りるチップとは別で、」

「そうなるとそっちが提示してきたチップの十二~十四の額は必要だが、払えるのか?」

「代表に代表して払って貰えば可能ではあるが」「ここのホテルに入って数時間滞在するだけでも最初のチップ代金になるのに」「それ以上は無理だよ」

「…考えておこう、次の会議までにチップ代金の件を提示する。地図内領域政府の提示注意勧告の件についてはいつも通りメールで集計して次の会議でそれをまとめる、以上だ」

「ちょっと待って下さい、またこのホテルで集まるんですか」

「そうだ」

「滞在する額が難しい事は言ってるのに?」

「ここの秘密主義は徹底している、一番我々が地図内領域政府に睨まれない基準に達している」

「我々の財力では無理です」「そうですね何回もここに集まるには難しい」「他の場所に変えて貰えないか」

「…場所提供できる者は?」

「近所の集会所は?」「教会を借りてもいいんじゃないか」「どこかの学校の体育館でもいいじゃないか、必ず休みの日がある」

「…どこも公共の場だ、禁止されている」

「でも他に無い」「難しい」「どうすれば?」

「…それについてもメールで送ってくれ、次回会議の年明け、二月に決定する」

「二月かあ、二月忙しいんだよねえ」

「お前はいつもの事だろ」

「…雪がよく降るね、まだクリスマス前なのに」

「そうだな、今年はホワイトクリスマスになりそうだ」

 

 

 

 全面硝子張りの真っ白な二十五mプールホール。白い太陽が低い高さから、白床と白天井に挟まれ揺れ跳び撥ねる水色の塩素水に硝子越しで白光をさし照らし反射させ硝子の厚みと白光の差す空間を七色に光らせる。

 利用者全員が男女問わず白緑黄赤青と各々カラーの違う水泳帽をかぶり。首周りから明るい緑黄緑黄緑と順に下へ縞々を作る段々のふわもこフリルで首周りから大腿上部半分の脚まで覆うノースリーブの体型がわかり難いミニワンピ型とショートパンツ型が混同した水着を着た女性達が、白いビーチパラソル下や遊泳型プールで休み遊びゆったりと水に身を任せる。首周りから明るい真緑の無地に黄色の細いラインが近代科学的な幾何学柄で緑の存在を消さずシンプルに入る撥水生地が腰回りまで覆うノースリーブ型を上に、厚みがある白いふわもこの撥水生地が腰回りから大腿上部半分の脚まで覆いウエストを白紐で結ぶ型の水着を下に着用した男性達が、二十五mプールを遊泳し白ビーチカウチでペットボトル入飲料で喉を潤し、あるいは硝子越しに視える「プール専用販売店&喫茶室」という文字を掲げるエリアでペットボトル飲料浮輪水鉄砲サバイバルナイフ小型拳銃等のビーチでよく見かける物を販売したり喫茶室スペースで訪れる美人美女達に透明な器の大きいビーチグラスをカラフルに染めるノンアルコールカクテル等の飲食物を提供している。

 各々カラフルな浮輪やキャラクター浮輪に腕をかけ遊泳型プールに浮かぶ女性達をスマホで盗撮した男性にサバイバルナイフや銃弾が飛び筋肉質な女性達の手腕で絞め上げられるのを後ろに。遊泳型プールの女性達が口をだらしなく開け頭を浮輪に預けあるいは水上に天井を向くかプールの水面に顔をつけて浮かび上がり、力を抜いて時折バキバキと硬音を立てた腕脚で跳んでくるナイフや銃弾を跳ね返し「投げ銭(ナイフと鉄弾)用ケース」のラミネートカードを付けた銀鉄色に光る真四角のケースにホールインワンしていく。

「あー、このプール、マジ最高~」

「本当~」

「夜勤明けに沁みるわあ…」

「ね~」

「ていうかあの真っ暗な部屋であんな…あー、マジ午前の太陽の光が…」

「あれよね人間太陽無しでは生きてはいけないんだわ…」

「そうよね…火星とか暗そうだし絶対無理よね…」

「まあ惑星の方の火星は空気無い時点で無理よね…」

「そういえば"西暦世界地図外エリア"開拓計画、見た?」

「見た見た。てか開拓ってか元々あるエリアじゃんね、あれ」

「ホンそれよね。あーでもそろそろ地図外エリア行けるのよね~こんなエリアとももうすぐおさらばよ~」

「ホンそれよね~マジヤバみが深いわ~」

「懐かしのあの地域に帰れるんだと思うと感慨深いわよね…」

「あっ、若奥様が水着姿でビーチパラソルご使用してるわ!」

「えっ、本当?」

 白ビーチカウチ傍で白陽光を浴び逆光の中で凛と立つ若奥様に、女性陣が高い声をあげ感嘆のため息を吐き噂話に花を咲かせる。

「あーやだあの筋肉美超美しいわ~!」

「本当~! 私達が日頃から甲斐甲斐しくお世話している成果もあるわね…」

「そうよね…私達のメイド力によって、そしてそれをご自身の稼いだお金でお使いになって、さらなるご自身の力の高みとお金の積まれた高みへと…」

「あ~麗しいわあ~」

「ホントそれ~」

 逆光の中から抜けた若奥様が、サンタ帽型の赤と白の水泳帽を頭に、首周りから白赤白赤白と上から順に下へ縞々を作る段々のふわもこフリルで首周りから大腿上部半分の脚まで覆うノースリーブの体型がわかり難いミニワンピ型とショートパンツ型が混同した水着を着た姿で、細マッチョより一周り大きい筋骨隆々な長い腕脚の伸びる高い背丈の体をゆったりと白ビーチカウチに横たわらせる。

 炭酸の泡が下から上へ昇る水色のペットボトルに手を伸ばした若奥様の隣の白ビーチカウチ横に、黒い影が落ちる。

 首周りから白の無地に赤の細いラインが近代科学的な幾何学柄で白の存在を消さずシンプルに入るふわもこの撥水生地が腰回りまで覆うノースリーブ型を上に、厚みがあるふわもこの白い撥水生地が腰回りから大腿上部半分の脚まで覆いウエストを赤紐で結ぶ型の水着を下に着用した若旦那様が。白髭付きの鼻眼鏡型サングラスの黒レンズを白陽光で白く輝かせ、星型サングラスの黒レンズを白陽光で白く輝かせる若奥様の隣の白ビーチカウチに腰を落とした。

 細マッチョより一周り大きい筋骨隆々な長い腕脚の伸びる高い背丈の体をゆったりと白ビーチカウチに横たわらせる二人を前に、美形しかいない男女達が恍惚のため息を吐く。

「若旦那様もお近くにいるわね~ああ、絵になるあのお二人…」

「今日の若奥様の悩殺、間違った盗撮写真と映像皆にシェアしておくわね」

「悩殺でも間違ってないわよあの筋肉美から垣間見える能力値で私達悩殺されてるもの」

「まあ、同性愛者に間違われる発言はよしてよ、臭くってよ!」

「ホントそれ~!」

 

 

 

「真っ赤なお鼻の~ガルシアちゃんは~♪」

「いやあ、RAM候補の女の子、死んじゃいましたねえ。見るも無惨な姿で」

「そうだねえ。まあ整形してた子だったんだもんねえ。そうなるよねえ」

「最後にこの整形前の写真頃の顔になったのは奇跡ですよね。むしろ道理? ていうか整形前の顔になった途端能力値まで落ちるんスね、怖」

「歯の矯正といい整形といい、やはり形を変えるだけでも能力値が変わる事は改めてわかったね。生きていたらその実験台の一人として使ってあげたのに、残念だなあ…」

「にしてもよってたかってRAM候補殺した女の子達も殺しちゃっていいんですかね、例の雇用した人達。まあ此方の指定した毒ガス使用してくれましたから実験データ増えましたけど」

「あの中に探してる"彼女"がいなかったんじゃない? 若しくは外部で見つけたからもう必要無いのか。それにしても、元の形状になるまで体がとけるガスで、全員全部とけちゃうとはねえ…。指定した新作の毒ガス、あともう二種類あったっけ」

「…そういえば社長、さっきの賭けで殺し合いに関係無い事言ってた子、どうするんですか? 明らかに此方側の事わかってる風でしたよね」

「まあスパイだろうね。あの歳でスパイやるって事は、家族ぐるみか孤児か相当のどれかだよね。はたまた二つ以上か全部」

「例の此方側の機関真似して作られたMARS AERA(マーズ・エリア)の諜報機関の可能性もありますよねえ」

「そうなんだよねえ…その諜報機関MARIAのメンバーなんだったら道理なんだよねえ…」

「RAMにするんスか?」

「いや。…まあ候補に入れたとしても、あのRAM候補の件もだけど、RAM候補チェック入れてもこの状況だからなあ」

「にしても、醜いッスねえ」

「そうだねえ、見てられないねえ。…とりあえずスパイ炙り出す為にも面接入れてみる?」

「予定外のステージ追加連絡しときますね」

「お願いします~。面接するなら一対一かなあ。なので人数もう少し減ってから、午後からかな、でよろしく」

「了解ッス」

「にしても、あのモブいブライアンとかいう女の子、やっぱり顔違うよねえ、元の顔美人系の美少女だよねえ、」

「あー、化粧室で一瞬見えてましたよ」

「えっ、本当? 化粧中の女性は見ないようにしてたから知らなかった」

「監視してる此方側の女性社員が教えてくれまして。該当箇所映像、観ます?」

「観る観る。…おお、…へえ、」

 

 

 

「ガルシアまさかのだったな…」

「ね~マジ、ピンクのグループ怖」

「私達の誰かがあの端のスロープ引き当ててたらその人があんな目に遭ってたのね…」

「ね~引き当てなくて良かったよねえ。まあブライアンちゃんだったら生き残ってただろうけど」

「ホンそれな。つかこの匍匐(ほふく)前進通路いつまで続くん?」

「超辛え腕痛え先も見えないし」

「本当それよね…まあ脚の速さ関係無くて良かったわ…」

「てかこの通路ウィルソンちゃんが一番辛いんじゃね胸デカいし通れてるん?」

「あーまあ。胸凄え汗かくから今胸だけ全部出して汗で滑らせてラクして前進してる」

「「「「うっそ、」」」」

「はいアホが見る~つか赤髪まで見んなよなセクハラかよ」

エバンスだようっせえなデカパイつか何気気になるだろその気無くても」

「あーね。私も見ちゃったし~」

「あー私騙された残念~あっでもスミスちゃん浮気じゃないからねこれ本当だから念押ししとくから!」

「その念押し要らないわ」

「ていうか先頭の黒人速くない?」「ね~凄え遠いんだけど」「シャワー室入る前の通路も先頭だったんでしょ? 超ヤバいじゃんもうあのIQ少女と一緒に確定組じゃん」「マジそれな~てかそうなると残り二人?」「え~」

「…つかブライアン嬢さっきの何に賭けたんだろうな」

「あーそれ。何か少しボーッとしてたし」

「黒人が捕まえなきゃ聞いてたのにねえ」

「おいミラー、ちゃん付け抜けてるぞ」

「いっけね」

「名前すらも呼ばなかったけどね今。てかブライアン銃私ら全員に渡しちゃって大丈夫なのかね」

「それな。てか1本はルイスが掴んだし」

「ね~あれマジ焦ったあ。そのまま全員でよってたかりそうだったから同グループのよしみでさり気なくあーじゃあとか言って瞬後で掴んだけどマジやばかったなあ」

「それよね。まあブライアンなら皆しばらくは狙わないでしょうし」

「それ~銃9本全部まるっとゲットしちゃうしマジ最終局面一歩手前まではね…」

「つっても最終局面でもいる方が良さそうだよなあ。よし、最終局面はブライアン嬢特別枠で一人追加だな。五人だ」

「だね~。つか何でさっきの部屋"七室目"?」

「あ~今までの部屋にもあったよねえ」

「いやでも数合わなくない? 間の部屋無いじゃん」

「シャワー室とかも入ってんじゃね?」

「あー、ね」

「シャワー室と化粧室と食堂、あ、寝室入れたら数合うわ」

「あー、ね~」

 

 

 

「…ブライアンはあのグループと一緒にいたいのか?」

「うーん、最初から一緒にいたからなあ。ルイスはやっぱり、」

「好きじゃない。むしろ嫌いだな」

「あー」

「ガルシアがあんな事になっても、全く悲哀の色の欠片すら…あんなに仲良くしてたのに、」

「…ごめん、その言葉に肯定とか求めてないかもだけど、涙も溢れてない私は肯定できないかな」

「…貴女はいいよ。ずっと誰かを助けたり助けようとしてた。誰の事も盾にしなかった。その姿勢でわかる。…出口が視えた、後ろのメンバーに教えるなら教えてくれて構わない」

「…通路暗いから皆教えなくてもすぐわかるよ」

 

 

 

 ~ 残り人数、…15。 ~