【 AIRAM 〜アイ・ラム〜 】(第一部小説執筆中)

オリジナル小説【AIRAM】。「アルファポリス」で執筆中公開中のものをこちらでも。追加入力&修正中ですがよろしければアルファポリスでもお気に入り等よろしくお願いします。

第一部「密室2日目」(対象…14歳のマリア名の少女、残り21名)〜『休息時間、四』

休息時間、四。

 

 

 

 午前の白く眩しい陽光が、壁全てが窓硝子の二十五mプールの揺れる透明な水色の塩素水と水に濡れた真っ白な床を照らす。

 利用者全員が男女問わず白緑黄赤青と各々カラーの違う水泳帽をかぶり。首周りから明るい緑黄緑黄緑と順に下へ縞々を作る段々のふわもこフリルで首周りから大腿上部半分の脚まで覆うノースリーブの体型がわかり難いミニワンピ型とショートパンツ型が混同した水着を着た女性達が、白いビーチパラソル下や遊泳型プールで休み遊びゆったりと水に身を任せる。首周りから明るい真緑の無地に黄色の細いラインが近代科学的な幾何学柄で緑の存在を消さずシンプルに入る撥水生地が腰回りまで覆うノースリーブ型を上に、厚みがある白いふわもこの撥水生地が腰回りから大腿上部半分の脚まで覆いウエストを白紐で結ぶ型の水着を下に着用した男性達が、二十五mプールを遊泳し白ビーチカウチでペットボトル入飲料で喉を潤し、あるいは硝子越しに視える「プール専用販売店&喫茶室」という文字を掲げるエリアでペットボトル飲料浮輪水鉄砲サバイバルナイフ小型拳銃等のビーチでよく見かける物を販売したり喫茶室スペースで訪れる美人美女達に透明な器の大きいビーチグラスをカラフルに染めるノンアルコールカクテル等の飲食物を提供している。

 「社長専用」の文字の入った白ビーチカウチ前で硝子越しに白い陽光を受ける、白熊耳型に上部に凸を二つ並べ白熊顔がプリントされた白水泳帽をかぶった社長が、首周りから大腿上部半分までをふわふわ型の白い撥水生地で覆う水着を着用した姿で、肩から伸びた筋骨隆々な腕で腰回りに通した透明な白い白熊浮輪を支え、筋骨隆々な脚の下に伸びる素足で白く輝くプールの床に立つ。

 一見細マッチョより一周り大きい筋肉質な身体を白熊ビーチスタイルで覆う高い背丈の社長が、美形しかいない男女達で賑わい時折サバイバルナイフ銃弾歓声悲鳴拍手が飛び交うプールホールに響き通る声で一声をあげる。

「私、美しい!」

「あ、社長さんだ」

「今日もナルシストッスね~」

「ここのビーチ専用カクテル美味しかったよ」

「あ~あれね」

「えっペットボトル以外の飲食物禁止じゃなかった?」

「このペットボトル型ステンレスボトルならいいって」

「えー中見えるじゃん凄く良い~」

「しかもこれ上とボトル部分分かれるから手入れし易いわね~」

「あっコレNo.持ち12人メンバーズの会社の一つじゃない」

「あ~ここの多少の力でダメにならないから凄く良いのよね~」

「そうよね私達みたいな怪力祭セール集団には重宝物よね~」

「え、このステンレスボトルごと買いたいんだけど」

「あの出入口でビーチ用品と一緒に売ってるわよ」

「え~ちょっと買ってくる~!」

「私も~!」

「美しい…美しい者しか出入りしない空間で美しい物しかない空間で美しい景色を眺めながら美しい景色(眺望)を眺めながら美しい私が美しいリフレッシュをして美しい汗をかきそして美しい飲み物を戴く…こんなに素晴らしい日があっただなんて、」

「今日は十二月二十一日ですねえ」

「明日は冬至ね。新米秘書君、ちょっとそこのペットボトル取ってくれるかしら」

「アイサ~、先輩」

「私の美しい秘書や部下達も美しいリフレッシュで美しい汗をかきより美しさを増している! うん実に美しい日だ今日は」

「今日は十二月二十一日ですねえ」

「わかったわよ社長のあのノリには誰もついていけないから安心なさい。…このサングラス型ゴーグル良いと思わない?」

「前衛的ッスよね~俺は普通のゴーグルが良いッスね。そういや先輩ここのビーチ専用カクテル飲みました?」

「帰りに買っていく予定よ」

「俺さっき飲んだんスけどマジ美味しくて、まず果物、」

「ちょっと待ってネタバレは許さないわ後輩」

 

 

 

 レンジの電子音開閉音や、テーブル上でトレイがスライドする音、配給食の準備音、そして若い男女の話す声が、簡素な真白い部屋で賑わう。

「今の時間例の社長ビーチ使ってるらしいわよ~」

「あらやだ私達と時間かぶらないようにするとかさすが仕事デキる人は違うわね~」

「そういえば暗殺の仕事儲かってる件、例の社長に聴こえるように噂話しといたわよ」

「これで人手不足解消ね。あの会社の秘書も暗殺の仕事してるらしいしあとは若奥様の長子である行方不明のお嬢様も加勢に入って下されば…」

「子供は子供が殺す方が捗るものね~」

「そういえば若奥様の次子と三子のご子息様がたも暗殺の仕事してるらしいけどもうクリスマス近いから休暇に入るのよね~」

「珍しいわね休暇中も暗殺の仕事してるわよねあのお二人」

「そうよね今の話し方だと今年のクリスマス休暇は暗殺の仕事しないみたいな言い方じゃない」

「お嬢様回収された後で皆様でバカンスに行くらしいわ」

「あ~まあ五年もいなかったんだものねえ」

「バカンス先どこなの?」

「日本らしいわよ」

「え~モンゴロイドビーチ?」

「まあここ五十年は外国人とか地図外領域の人達がこぞって長く住んだりしてるから…」

「最近は五割か七割くらいは外国人なんだっけ?」

「大体七.五割ですね」

「あ~それ日本人外に出てるって事よね」

「きっとバカンスでも楽しんでるのよ~」

「そういえば昼食は少ないのね」

「あ~この後に控えてるからよねアレが」

「そうねえ、モザイクした方がいいのにモザイクっぽいモザイクを口からマーライオンされてモザイクが増えるよりかはねえ…」

「どうせなら砂糖出す方のマーライオンな会話しましょうよ」

「そうよそうよ」

「それもそうねえ、お題は?」

「心燃ゆるAIRAMプロジェクト関係者専用食堂の甘味シリーズ」

「ヤバいそれ砂糖出す方じゃなくて食べる方のやつ~」

 

 

 

「またレトルトかよレトルト以外も出せし」

「ウィルソン、マジそれ」

「てかパンと紙パックの飲み物は市販のなのな謎」

「ミラー、ホンそれ」

エバンス、そのレトルト毒だよ~」

「ああ、ありがと。グエン昨日から毒の当たり具合どうなの?」

「凄く美味しい~やっぱりレベル低い奴らが作ってるか微量しか入ってないみたい!」

「げっ何毒食って大丈夫なんソイツ」

「こっわ」

「ヤバくね?」「つか今まで割と毒食べて死んだ人いるんでしょ?」

「えー私市販のやつだけ食べてよ」

「私もそうしようかしら…さっきので食欲が…」

「あ、こっちのやつ舌ピリピリするやめとこ」

「ああ~ブライアン様ァ本当素敵ですわあ~」

「ブライアンの信者できてるしマジ怖え」

「ホンそれ。ていうか毒食べて大丈夫とか嘘じゃね?」

「あーあれ何かそういうファンタジーもののマネしてるらしいよヲタクってやつ?」

「マジ? ヲタクって毒の次元まで越えんの?」

「じゃない? まあうちらはキモヲタじゃないし普通に避けとこーよ」

「そうね…私はとりあえずブライアンの食べてる物だけ手つけたいかしら」

「まあな。でもこれでブライアンが毒に当たったらどうする?」

「つか毒表記無いやつにも毒入ってんでしょ? それって表記自体も信用できないって事じゃね?」

「ん~それは違いますねえ」

「ううわさっきの」

「ちゃあーんとしっかり表記にあるんですよ、ほらここに合法じゃない麻薬分類の薬物の名前が、」

「グエンだっけ? アンタうちらの部屋のメンバーじゃないんだからあっち行ってくんない?」

「ハッ。無知は本当に罪ですね~それにひきかえブライアンって人は多少はできるみたいですけど~」

「お前の方がブライアン嬢よりできんの?」

「そりゃあ、私は百戦錬磨、野生の中を生きた女ですからね!」

「それ野生動物と同じって事? それとも原始人って事?」

「ブラウン黙っとけって、ブライアン嬢が万が一ダメになった時の保険にしとこーぜ」

「あ、なーるほど、」

「保険には賛成だけどでもグエンって信用できんの?」

「そうよね…さっきからエバンスの隣で食べてるブライアンの食べてる物にしか手をつけていないし」

「ね、ブライアンの毒入りじゃないやつと毒入りのと取っ換えてみない?」

「いや貴重な人間にわざわざ毒盛って後々私らが窮地に、オイこらミラーてめえ、」

「ねえブライアンちゃーん、私このトマトのやつまだ無理なんだけどトマトじゃないやつと換えてくんないかなあ~」

「いいよ」

「マジで~ありがと~! いやホント昨日からマジ、トマト食べる気無くしてくるこの流れがさ~ホントにありがとね!」

「いえいえ。…あ、」

「うわーいったあー」

「これで食べたらそれまでの人って事よね」

「まあそうなるか、うちらにとっても今の内に要らない人間落とせる良い機会かな、グッジョブ、ミラー」

「どーいたしまして。っと、まあでも安全なやつもらいましたよさっきブライアンちゃん食べてたやつの残りだけど」

「大丈夫なん?」

「大丈夫じゃね。って事でいただきまーす」

「ミラーずりい私もやりてえ」

「あんまり数いくとさすがに怪しまれるじゃん」

「だよなあ。教室の時の反応も悪くなかったし、足も速いしほふく前進も速いしロープ上がりも速くて体力も化け物クラス、ついでに頭良い。何だコレやっぱ今の内に蹴散らしておくべきじゃね?」

「そーそー、今の内に減ってもらってさあ、モブい女達と一緒にお亡くなりになってもらう方が絶対良いじゃん、じゃないと私らが残り人数にあぶれるよ」

「だよねえ~マジ、ミラーのそういうとこ信用できるわ~」

「ブラウンはそういうとこブレないよねえ。んでまあエバンスはそこそこ頼りになりそうではあるから、保険でとっておいてもいいし」

「あーでも絶対アイツ裏切るだろ、同じ部屋の女平気で殺すわ顔色一つ変えないわだし」

「それうちらもじゃね?」

「いやここの三人は結束してんじゃん」

「いやスミスちゃんも入ってますけど! ねえスミスちゃん」

「あーまあでも私は三人程体力も運動神経も無いから、落ちる可能性はあると思うわ…」

「そんな事無いよお~」

「あ、そろそろ化粧直すぞブラウン、ミラー」

「えっ私も?」

「朝ブラウンメイクしてあげたじゃん顔にも髪にも~」

「あーあれね」

「スミス嬢はゆっくり食べてていいからな」

「ありがとう、お言葉に甘えるわ」

「あ~スミスちゃんと離れ離れにい~」

 

 

 

「んで、ミラーどうよ?」

「ん~やっぱスミスちゃんは全然だから落としてもいいと思うよ~」

「やは?」

「やはやは。だって運動神経と体力無いだけかなあとか思ったら言葉の端々にバカのレベルが滲み出てんだもん」

「だよなあ、昨日までは何か緊張してんのかもとか思えたけど、今日ガルシアいなくなった辺りからもう気色悪いもんなあ」

「そう思うとブライアンちゃんの方が生かす価値アリだとは思うんだけどさあ~、万が一アイツが生き残った後で私らと会ったらと思うとさあ、」

「医者の娘だもんなあ、尻尾振っとくに限るよなあ」

「まあそう言いつつウィルソンもう態度冷たいじゃん、ミラー、マスカラ貸してえ~」

「どぞどぞ。あーつかマジ自由に化粧できんのいいなあ~私の学校目立つとウザいからさあ、普段できないんだよねえ~マジ楽しい」

「やっちゃえやっちゃえ、えーつかミラー中々巧いじゃん、私美容師目指してるけど中々センスあるよお~」

「え、ホント~? 未来の美容師のお墨付きいただきい~」

「まあ私に比べたら全然だけどねえ~」

「まあそりゃあな~てかそうなるとブライアンは割と自由にさせつつ生かすとして、スミスはコッソリ盾にしちゃっていいよなあ」

「それなそれな~てかむしろスミス盾にしてブライアン生かしたいよねえ役に立つしい」

「毒の件とかねえ。まあさっきのトマトはたぶん食べないだろうし、全然いいかなあ、」

「まあでも落としとかないと他の奴らに警戒されたくねえしな~あとブライアン嬢も割とムカつく」

「それな。まあでも何か自由にしてるし案外ドライだから付き合いやすいんだけどね~あれでもう少し距離詰めたら残忍性っつーの? 人間の狂気性が出て今よりか付き合いやすいよねえ」

「あ~そうなん?」

「いやだって絶対皮かぶってる感じしない?」

「え~自然体に見えてたけどそういう事? だったら尻尾振ってもいいかなあ~なんて」

「いやでもレベル違い過ぎるし万が一の時の盾要因だよなあ」

「まっそれな」

「じゃスミスとモブ共は落としてブライアンは自由にさせつつ万が一の盾要因って事でいい感じ?」

「いい感じいい感じ」

「んでまあエバンスは態度次第って感じかなあ」

「あーだな。モブ共よりかはいいしむしろモブ殺させる役割だよな」

「あーそれ」

 

 

 

「…ウィルソン達、化粧室の声こっち側に響きやすいのわかっててやってるよなあ絶対。大丈夫? スミスとかいう女」

「あ~あれ絶対泣いてるよねえ」「つか寝室前の小さい部屋大丈夫なん落ちない?」「大丈夫なんじゃない? まあダメでも一人落ちるだけだし」「そうだよねえ、私ら他人の事より自分の事気にしないと…」「それだよねえ」

「どうでもいんじゃね、あんな頭空っぽの医者の娘なんか」

「アンタそういうとこドライだよねえ、まあいいけど。…それ、毒入りって書いてなかった?」

「え? でもさっきあのIQ女食べてたけど。嘘表記だったんじゃない? 普通に美味しいし」

「…へえ、」

「アンタも食べる? コレもう返却扉に入れてきちゃったんでしょ?」

「うん、あーでも私はもういいや、お腹いっぱい」

「そう。あー、私この後どうしよっかな~、食堂残ってていいならこの後もやり過ごせそうだし、少し寝て体力温存しとくかなあ」

「うん、まあその方がいいかもな~。お、ブライアン嬢おかえり~」

「ただいま、って言っても私皆の部屋のメンバーじゃないけど…」

「いいんですいいんですブライアン様はいて下さるだけでいいんです」「そうそうそういうとこは垣根無くて全然大丈夫なんでむしろここにいて下さい」

「う、うん…」

「あー本当ブラウンが最初言ってた通りになってきてるわ」

「ウィリアムお前市販のやつだけにしたの? 昨日からじゃね?」

「いやだって怖いしお腹空くけど」

「今日の午前中シャワー室前の廊下に閉じこもってただけだろ。つかブラウンが何言ってたんだよ」

「何かあのブライアンとかいうお嬢様っぽい女を中心にして自分とウィルソンとミラー辺りが生き残る~とか予想言ってて。教室入る前の通路で。その辺りから一応私もブライアンの言動見てるけど、やっぱり役に立つんだよあ」

「つってもお前午前引きこもってたじゃん、役に立ってねえだろ」

「いやだって怖いんだもん~殺されるならサクッとがいいよねえ」

「それ人割と殺してきたうちらが言える? まあ殺した奴ら全員クズだったからなあ」

「ホンそれ。…え、グエンどうしたん?」

「わからん、さっきからずっと、…あ、まさかさっきの毒入りのトマトのやつ、」

「えっ何毒入りってあるのに食べたの? バカなの?」

「うっわ、死んでね? コレ」

「うわあ~、泡吹いて顔とかしおしお。ちょっと離れようよ…」

「ウィリアム、いやむしろ寝室の部屋の床抜けてる所あんじゃん、あそこから下に落としとこーぜ、変なニオイで凄えラリりそうだし」

「賛成~って事でそこの二人手伝えし」

「あーブライアンはいいよ別部屋のメンバーだし」

「いいの?」

「いや大事にしとくに限んじゃん」

「えーでもあの人トマトのやつさっき食べてなかった?」

「え、嘘」

「ホントホント」

「見間違いじゃね? ピンピンしてんじゃん」

「あー言われてみれば。…開けたけど食べてなかった感じかな」

「そうだろ、いいからさっさとコレ運んで落とすぞ」

「アイサ~」

 

 

 

「え、何さっきのキモヲタ毒入りで死んだん?」

「マジやば~。避けてて良かったねえ、ねえブラウンちゃん」

「あー、うん…そうだね、」

 

「化け物、」

 

 

 

 ~ 残り人数、…9。 ~